鬱間主観 / depression intersubjective installation meeting 2013年
非公開インスタレーションミーティング
11/9,11/10,2013
花井裕一郎氏宅倉庫 /(セッティング・撮影・カタログ制作展開)
参画作家 : 松田朕佳・松本直樹・納和也・ごとうなみ・町田哲也
きのこ工場として使われていた花井氏宅倉庫をお借りし、そのロケーションから促される参画作家によるインスタレーションの交錯を行った。
同一空間を共有し相互干渉するインスタレーションの展開モデルケースとして非公開で試行し、その設置状況を映像と写真にて記録し後日、持続の為の鬱間主観2013のレポートとしてカタログに纏め記録展と共に限定部数発刊予定。
ギャラリー・美術館といった従来の美術作品展示空間ではなく、単なる旧きのこ工場のスペースをインスタレーション仮設の場所として定め、且つ非公開で作家たちの感触を交錯させて実現展開する試行を行うことは、インスタレーションという仮設展開に於いてこそ自在に行える可能性のひとつであり、今回の三段階に展開する(ギャラリースペースでのユニット・ソロ・販売作品展ー交錯試行ーグレイスフル芸術館スペースに於ける帰結展開)プロジェクトの跳躍的な意味を含むことになった。
元来インスタレーションは、画家がカンバス上で試行錯誤できるような具合に簡単には実現を試すことはなかなか難しい。鉛筆によるプランという机上の空論を繰り返すことよりも現実の時空で降りて来る躊躇いや迷いなどと対峙することがそもそも仮設実現の醍醐味であるから、インスタレーションを行う持続反復は、その儚い性質(売れない・企画依存)によって、作り手の手法から排除される傾向がある。けれどもその脆弱を打ち消すような空間を創出する魅力は勿論あって、単なる送り手と受け手といった関係が結ばれることだけを目的とするばかりではなく、送り手たちが空間を共有しつつ相互照応する精神的な感応の場ともなることを今回は各々が体感しながら、それぞれの固有をその感応を自己批評の軸に加え深化した。振り返って意味深く感じるのは、30代40代50代といった世代差異のあるスタンスがフラットに交錯するプロジェクトであったということであり、反復が可能になったならば、上下に更に一列づつ異なった世代を加えても刺激的なものになるだろう。これは人間社会における意識交換のリスペクトという生存の手法に結ばれる筈だ。
空間に直に関わるという行為そのものとしてインスタレーションを捉え直し、原初的な人間の行為衝動と知性の活性の根拠ともなるとすれば、芸術的なスタンスとはいささかずれたその臨床的機能を考えることも、特に今後インスタレーターが具体的な展開を先導するのではないかという期待も生まれた。
110913-111013 from toposnet on Vimeo.
Depression Intersubjective Installation Meeting
at Hanai Warehouse
Chika Matsuda, Naoki Matsumoto, Kazuya Osame, Nami Goto, Tetsuya Machida.